議会報告

平成29年3月 定例会-03月06日【会派代表質問】

平成29年3月 定例会-03月06日【会派代表質問】

 

1.平成29年年度予算編成について

2.働き方改革について

3.議案第48号について 【法律改正されたことに伴う新教育長の具体的な責務について】

4.本庁舎耐震整備計画について

5.クリーンセンターについて

6.地域公共交通会議について

 

 今、我が国では、人口減少、少子高齢化が顕著にあらわれ、住民ニーズの多様化により行政サービスに求められる分野が拡大している。一方、地方財政を取り巻く環境は、一層厳しい情勢になってきている。昨年、政府は、6月に閣議決定された経済財政運営に関する骨太の方針で、2020年度に国と地方を通じた基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスを黒字化する目標を掲げ、地方財政に関しては、2018年度までに現在の一般財源総額の水準を維持することを明らかにしてきた。  先日の提案説明において、市長は、平成29年度予算は2期目の任期の集大成としてこれまで取り組んできた施策を基軸として、その成果を存分に発揮していくと述べられた。また、8年間の成果として市債残高の減少や人件費削減を掲げられた。 1.平成29年年度予算編成について

 

◆質問 内藤智司

 そこで、平成21年以来、仲川市政8年の総括として、財政運営面でどのように財源確保に取り組まれたのかをお伺いする。  奈良市の現下の財政状況を見ると、経常収支比率は、平成25年度は97.5、26年度は99、27年度は97と依然として厳しい状況が続いており、第4次総合計画、まほろばVISION 2020での目標年次、平成32年度経常収支比率95以下を達成できるのか、大変疑問である。平成26年度決算では、土地の売却収入や退職手当債の借り入れなどで何とか普通会計ベースでは黒字となったものである。平成27年度決算でも土地の購買や地方消費税交付金が結果的に増収となったことなどによるもので、安定的な財政運営とは言いがたいものである。また、さらに平成27年度では経常収支比率97とやや改善はしていますが、自主財源比率が47.3と50%に満たず、財政の安定化へは非常に厳しいものがあります。このような状況に加えて、28年度以降の税制改正や地方交付税のトップランナー方式の導入など、財源確保の見通しは大変厳しいものが予想されている。  そこで、改めて歳入確保策について。  私は、以前から歳出削減は既に限界が来ており、新たな歳入確保を講じるよう求めてきた。  

(1)そこで、仲川市政8年の総括として取り組まれた、継続的な歳入確保での財源対策をされた具体的な取り組みについて。 (2)次に、財政運営について、今年度の最終補正の平成28年度補正予算を見ると、市税で7億5000万円の減額、株式譲渡所得 

        割交付金2億5000万円の減額、当初予算より10億円もの歳入減には、当初予算の見積もりが正しかったのか疑問を持たざ

       るを得ない。当初予算での過大見積もりではなかったのではないか。今の時期に減額補正をされた原因とその理由について

       お伺する。なぜ、この時期なのか、当初予算の見積もりの仕方も含めてお伺いする。

 

◇答弁 仲川元庸市長

(1)まず、平成29年度の予算編成について具体的な財源対策、どのようにこの8年間で取り組んできたか。  財源対策や歳入確保という問題については、歳出の抑制ということに一定の限界が見えてきているという中において、いわゆる入りをはかるという取り組みをさらに力を入れていく必要性を感じている。これまでも持続可能な財政基盤の確立を基本として、さまざまな方法で歳入確保に取り組んできたところである。  まず、一つには、受益者負担の見直しとして、類似他都市と比較して、安価であった下水道使用料の見直しを平成25年9月使用分より実施し、平米当たりの単価を従来の86円から113円に改定させていただいた。この結果、平成25年度には約4億5000万円、平成26年度からは約9億円の収入増となり、実質的には、平成26年度から公営企業化により企業局へ移行した下水道事業会計への補助金の縮減につながった。  また、歳入の根幹をなす市税については、滞納整理の強化を中心に、特に未収金の縮減等の施策の取り組みを強めた。まず、平成26年度に国税OBの任期付職員を徴収業務指導員として採用し、滞納事案への早期着手を図ったことにより、平成21年度の差し押さえ件数が184件であったものに対し、平成27年度では1,259件となり、未収金額として同年度比で約18億円縮減することができた。さらに、平成28年度には、債権回収等を熟知した任期付職員を増員し、償却資産税等の課税強化や債権回収強化にも継続して取り組んでいるところである。また、平成26年度には納税課に納付促進係を設置し、現年度分の徴収率を98.59%から98.79%に向上させ、現年未収金を約1億円縮減することができた。。このことは、単に増収成果にとどまらず、市税の滞納繰り越しの増を未然に防ぐということにもなり、債権増加の抑制につながっているものと考えている。なお、現在はこの係を滞納整理課へ業務移管して、より効率的な徴収業務を行っている。  また、税外債権の回収についても、特に住宅家賃については、平成23年度に滞納処理要領を制定し、家賃滞納の解消を図ってきた。加えて、平成28年度からは、税外債権の回収対象を拡大し、弁護士などの外部の専門家のノウハウを取り入れながら、税外債権の管理の適正化と未収債権の縮減を進めてきたところである。このほかにも、ネーミングライツの促進や庁舎等の自動販売機の設置、また、ホームページのバナー広告など、現行における施策についても改善を加え、財源収入の拡充に努めているところであり、この歳入を確保するという取り組みについては、引き続き持続可能で安定的な歳入確保に努めていきたい。

(2)次に、補正予算に係る市税等の減額及び提案の時期について、歳出については、増額のみならず、事業の進捗状況や国庫補助の認承減などにより、減額補正等も計上しているところであるが、それらに合わせて、市税を初めとする歳入についても、収入見込みに合わせて減額補正をするものである。 また、補正予算案については、年度末を控えましたこの時期において、年度最終の補正予算として、収入見込み等を精査し、編成した。

 また、当初予算の見積もりについて、国から示される地方財政計画を勘案するとともに、前年度の決算見込みや過去の実績などを精査して見積もっているところである。しかし、今回減額をいたしております個人市民税については、平成28年度の当初予算編成当時には、景気の回復傾向に伴う個人所得の増加を見込み、前年度比1億2800万円の増を見込んでいたところだが、企業収益の改善に比べ個人所得の伸び悩みがあったことから、補正予算では6億5400万円の減といたしているところである。また、株式等譲渡所得割交付金についても、当初、予算編成当時は、景気の回復傾向から4億円の増を見込んでいたが、経済情勢の不安定要素による株式市場の低迷により、補正予算では2億5000万円の減といたしているところである。

 このように、歳入の費目ごとにおいては、経済情勢や本市の地域経済の動向等により変動する部分も含んでおり、特定財源のみならず、一般財源の更正も含めて補正予算として御提案申し上げた。

 

◆意見・主張 内藤智司

平成29年度の予算編成について、継続的な歳入確保の具体的な取り組みについて御答弁をいただいたが、やはり下水道使用料の見直しにいては、そもそも当時の説明では、一般会計からの繰り入れを解消し、さらに老朽管などの更新と将来的に安定して下水道事業を継続するために、2段階の見直しが予定されていたわけである。  それにもかかわらず、1回目の見直しで終わったこと、当時水道局に移管されたこと、現在の企業局の中で運営され、非常に厳しい財政運営を行っているのではないかと考えるところである。平成26年度の時点においては、4億円の一般会計からの繰り入れが、来年度の分につきましては2億8000万円の繰り入れ、市からの補助金はこういった形で削減はしているという形にはなるが、その分、企業局の中で厳しい財政運営を行っているということは指摘をしておかなければならない。  それから、市税に関連する施策について、これは、先ほど滞納債権とか税外債権の回収の強化という部分はあったが、そもそも市税の分については、歳入確保の施策の観点で行うものではなく、税の公平性の観点であり、やはりこれは当然、行政として行うべき施策であるということも指摘をさせていただきたい。市税においてのそれぞれの施策については、その後の経過についてまたお聞きしたい点もあるので、今後の予算委員会の中でまた議論をさせていただきたい。 いずれにしても、冒頭の中でのべたように、平成26年度、27年度は結果的に黒字決算となったものである。そういった中で、28年度の決算の見通し、先ほど歳入の減額補正の中で平成28年度の決算がどうなるかということも非常に危惧される中で、今回の平成29年度の予算、これが本当に財政の健全化の中で組まれたものかということは、不安を抱かざるを得ないと思うところである。  

 

2.働き方改革について

◆質問 内藤智司

 国においては、働き方改革を国家の最優先課題として位置づけ、その取り組みを本格化させている。政府がこの改革を急ぐ大きな要因としては、日本の生産年齢人口が総人口の減少を上回るペースで減少し、労働力不足が深刻化することにあると言われている。このままでは国全体の生産性が落ち、国力の衰退が現実のものとなることから、政府はそれを阻止すべく一億総活躍社会を掲げ、働き方改革を一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジと位置づけている。この労働力不足への対応策は、女性と高齢者の労働市場への参加促進、出生率の向上、労働生産性の向上の3つが必要であり、この3つの実現のために解消しなければならない課題が、長時間労働と正規社員と非正規社員の格差であるとされている。

 そこで、まず、本市の長時間労働の実態と今後の考え方について。

 労働基準法では、労働時間の上限を定めており、いわゆる36協定により労働時間の延長が認められているわけで、その限度基準は月45時間かつ年間360時間以内となっている。しかし、この限度基準は、強制力のない厚生労働大臣告示によるもので、臨時的な特別な事情がある場合は、特別条項を設ければ幾らでも時間外勤務ができ、罰則規定もないため、長時間労働の常態化や過労死を生む原因の一つであるとの指摘すらある。

 そこで、国は、働く者の健康確保を図ることを大前提として、36協定による週40時間を超えて労働可能となる時間外勤務の限度を月45時間かつ360時間と法律に明記し、特別な場合を除いてこれを超える時間外労働をさせた場合は、罰則を科す方向で法改正に取り組んでいる。また、臨時的な特別な事情がある場合でも、年間の時間外労働時間の上限を720時間、月平均で60時間にしようとしている。

 平成28年2月の総務委員会で、本市の時間外勤務縮減に向けた取り組みについては、平成24年度から本格的に取り組んでおり、一般職については、平成27年度の時間外勤務時間数は平成23年度の実績に比べ、率にして23.5%の減少となっており、平成28年度上半期についても27年度上半期以上の減少となっている。また、2月からは、管理職の長時間勤務による健康障がいの未然防止、早期発見のため、時間外勤務時間の管理の取り組みも始めたとの人事課長の答弁があった。36協定は、現業職等を除く一般職の地方公務員に適用されるわけではないが、長時間勤務の是正のための時間外勤務の上限設定は、共通の課題となるものと考えている。

 しかし、奈良市においては、法改正後の限度時間を遵守するためには、単に今までと同じように時間外勤務はやめよう、早く帰ろうという取り組みで解決するには、もう限界が来ているのではないかと憂慮するもの。私は、以前から市役所の各課、各係の仕事量の把握の必要性について指摘をしてきた。適正に仕事量を把握し、適正な雇用を確保せずにどうやって長時間労働を是正できるのか。本市も厳しい財政状況による歳出の効率化のために、非正規職員の活用や業務委託の導入等によりさらなる行革を進め、最小コストで最大の市民サービスを生み出す自治体経営を目指されているのであれば、奈良市行政の将来像をしっかりと見定め、新しい施策をもって臨む必要があると考えるが、本市の長時間労働の実態と今後の考え方について、市長のお考えを聞く。

 次に、非正規職員の任用のあり方、すなわち正規職員と非正規職員の格差是正について、市長のお考えを聞く。

 本市には、他の自治体と同様に、定員適正化を進めるとして、正規職員数が減少する中、市民サービスの低下を防ぐ手だてとして非正規職員の活用を進めるほか、窓口業務等の民間委託化などにも取り組んできた。しかし、自治体の事務事業の多くは、人が直接行うサービスであり、IT化や業務の効率化による人員削減効果はこれ以上見込めないのではないか。むしろ、行政ニーズは多様化、高度化しており、ますます正規、非正規を問わずスキルの高いマンパワーを必要としているのが実態である。

 このようなことから、市民サービスの質の維持向上を担保しながら、定員適正化計画に沿って正規職員の削減を進めるのであれば、非正規職員を含めた雇用全体の問題として捉え、正規職員と非正規職員の間の不合理な処遇格差がないことが不可欠であると考える。政府が進めている働き方改革の目玉となっているのが同一労働同一賃金である。政府は、賃金だけでなく福利厚生なども視野に入れた改革を目指していることから、同一労働同一待遇とも言えるものである。

 そこで、非正規職員の任用のあり方、すなわち正規職員と非正規職員の格差是正について、市長のお考えを聞く。

 

◇答弁 仲川元庸市長

 まず、本市の長時間労働の実態、そして、今後の考え方について。長時間労働の是正については、本市における働き方改革の中でも特に重要な取り組みだと考えている。  本市の一般職の長時間勤務の実態であるが、企業局を除く職員のうち、法改正後の上限となることが想定される月平均60時間、年間で720時間を超える職員数については、平成23年度が47名、平成24年度が56名、平成25年度が39名、平成26年度は31名、そして、直近の数字で平成27年度においては23名と推移いたしており、これは、平成23年度に比して半減している状況である。

 また、2月から本格的に管理をスタートした課長級以上の管理職の時間外勤務の実態について、こちらは企業局と消防局を除く全管理職419名を対象に調査した。その結果、時間外勤務が1カ月60時間を超えた管理職が39名いたという状況である。時間外勤務の縮減については、御指摘のようにこれまでもさまざまな取り組みを重ねてきたところであるが、今後は、各現場、職場ごとにさらに知恵を絞り、周りの職員が行えるサポートの有無、また、業務分担の柔軟な変更、業務の必要性の再検討、仕事のやり方の再点検、他部署との有効な連携の模索など、全庁的に検討を進めていくことが重要である。

 その先駆けとして、今年度から新たな取り組みとして、時間外勤務縮減ワーキングチームが時間外勤務の多い特定課についてヒアリングを行い、業務量の把握や業務遂行プロセスの確認などを経て、具体的な業務改善方法の提案、また時間外勤務が年間1,000時間を超えるような職員を出さないための取り組みなどを進めているところである。

 今後は、新たに働き方改革を担当する専任の職員も配置するなど、組織体制をしっかりと整備し、時間外勤務の縮減ということのみならず、働き方改革の取り組みを本格化させていきたいと考えている。

 次に、非正規職員の任用のあり方について。 現在、非正規職員の皆さんには、市民サービスの維持の上では欠かすことができない人材として活躍していただいている状況である。特に、経験年数の長いベテランの非正規の職員については、高いスキルを持っており、特に保育教育士などでは正規の職員と変わらない業務にもついていただいているということもあり、非正規職員の能力の向上やモチベーションアップということは、市民サービスの維持向上に直結する課題だと認識している。このような状況の中で、正規職員とのいわゆる合理性のない処遇格差により、非正規職員のモチベーションのダウンを招く、また、スキルの高い方においては、より雇用条件のいい事業所に離職してしまうなどの問題があり、これは本市にとりましても大きな損失であると考えている。  そういったことから、本市では、非正規職員の処遇の改善に、現在取り組んでいるところである。具体的には、今年度からフルタイムの臨時保育教育士については、日給制であった賃金を月給制に移行し、経験年数による加算制度を採用したことや、また、家庭系ごみ収集に従事する臨時職員については時給を上げるなど、賃金面での処遇改善を行ったところである。あわせて、非常勤嘱託職員、臨時職員、パートタイム職員などの任用種別を問わず、社会保険に加入している職員には、夏季休暇を付与するなどの休暇制度の改善という部分にも着手をさせていただいている。

 今後においても、さらなる処遇改善を検討し、速やかに実行に移してまいりたいと考えている。  また、政府が進めております同一労働同一賃金については、短期的には非正規職員の処遇改善であり、長期的には非正規という区分そのものをなくして、働く方のライフステージに合わせた働き方を選べる雇用のあり方を生み出していくという狙いがあるものと認識している。このあたりは、国においてもさまざまな動きがあるので、それらを注視しながら市としての対応策を研究たいと考えている。

 

◆意見・主張 内藤智司

働き方改革については、1問目の中では国の考え方を示させていただいた。が、しかし、目指すべき社会像は、全てのやはり働く者の雇用の安定と、公正な労働条件の確保、雇用を労働政策の基本的な考え方の中に据えて、非正規雇用労働者の処遇改善や雇用安定、長時間の労働の是正に向けた取り組みが必要であると考える。特に、長時間労働の是正においても、上限を年間1,000時間とか720時間とかいう数字ありきで検討していくのではなくて、やはり仕事の定量において、それに伴う人員はどれだけ要るのか、そういった雇用を確保した上での検討でなければならない。年間を通じての定量的な仕事と、それから業務に応じてそのピークがある中でどうやって時間外を少なくするのか、こういった施策が私は必要ではないか。

 これは、いわゆる民間でいう36協定の部分である。今までこのことについては、以前より追求をしてきたが、いまだ明確に定量が幾らで、適正な人員が何人だということを明らかにしていただいていない。その話の中では、一人のできる業務量がわからないといった議論もしてきたが、もともと市役所に入るときに採用試験をしているわけである。一定の業務量ができる人を採用しているわけで、そういったところを議論するというのはもともとおかしいわけであり、そういった意味からも、やはりその課における定数というものは必ず出てこなければならない。その中で、適正化計画というものがなければいけない。その面を今後、この働き方改革の中で十分検討していただきたい。

 

3.議案第48号について 【法律改正されたことに伴う新教育長の具体的な責務について】

◆質問 内藤智司

   議案第48号に関連して、法改正されたことに伴う新教育長の具体的な責務について。

 先日は、議案第51号 教育委員会の教育長の任命について採決があり、平成27年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正後、初となる新制度のもとでの教育長の任命に同意したところである。これにより、4月からは本市にも法改正後、最初となる議会の同意を得て任命される新教育長が誕生し、新教育長は教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表することとなる。  今回、この法律が改正されたことに伴う新教育長の具体的な責務について聞く。

 

◇答弁 仲川元庸市長

   議案第48号に関連して、教育委員会の制度改正に伴う新教育長の具体的な責務がどのようであるかであるが、新たな教育委員会制度のもとにおいては、教育委員会の政治的中立性、継続性、安定性を保ちながら、これまでの教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者である新教育長を置くことにより、教育委員会における責任体制を明確化するものである。また、いじめなどの重大な問題に対して迅速な危機管理体制の構築を図るとともに、地域の民意を代表する首長との連携を強化する目的である。

 そのため、新教育長においては、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表し、教育委員会の会議を主宰者として、また具体的な事務執行の責任者として、ひいては事務局の総指揮監督者としての重大な責務を担っていただくわけである。

 新教育長には、常勤の特別職として教育行政に大きな権限と責任を有し、教育行政全般において幅広い職務を行っていただくものである。

 

◆質問 内藤智司

   今、御答弁いただいた上で、退職手当の持つ意味、こういったものについてどう理解しているのか。

 新教育長は、先ほども答弁があったとおり、法改正の趣旨は、教育委員会の代表者である委員長と事務の統括者である教育長を一本化し、迅速な危機管理体制の構築を図ることを含め、新教育長を教育行政の第一の責任者であるということを明確化することにある。また、任命に当たっては、新教育長の任期を長の任期よりも1年短く3年とすることで、市長の任期中に少なくとも1度は市長みずからが教育長を任命できること、また、教育長の権限が大きくなることを踏まえ、教育委員より任期を短くすることで、委員によるチェック機能と、議会同意によるチェック機能を強化できることなどが配慮されているということである。

 このように、国においてもその権限の集中を予測した法改正となったが、同時にそれは、それだけ新しい教育長に大きな責任がかかってくることを意味するものである。以前の教育長は、議会の教育委員としての同意で、教育委員会で教育長を任命されていた。今回の議案は、議会に教育長の任命についての同意案件であり、従前の委員の同意案件と異なり、議会としても教育長の選任に同意したものである。このことから、新しい教育長は以前の教育長よりも責任が重く、教育委員会の真のトップとしての手腕を発揮されることとなる。そして、任期は3年と以前より1年短く、前の教育長と同様に扱うことはできないと思う。

 私は、過去にも特別職の職員の退職手当の特例については、反対の立場をとってきている。議案が提出される都度意見を申し上げてきたが、やはり退職手当は給与の後払い的な意味合いが強いものと考えている。

 そこで、今回の議案第48号も御自身のマニフェストに基づくお考えによるものなのか、あるいは財政面からの処置の色合いが濃いものなのか。

 次に、退職手当を支給することと人材の確保についてどのようにお考えなのか。

 現在、本市では、市長御自身を初め、副市長、企業局長、常勤の監査委員が退職手当の不支給となっている。肩書きに長がつく者は、多かれ少なかれ、やはりその責任は伴ってくるが、それに対しての処遇が充実していることが重要だと考える。現状を見ていると、今、市政に精励している職員の中から、いずれこの職につきたいという者が出てくるかどうか、これが大変不安に感じるところである。  そこで、今後はどのように人材を確保するつもりなのか。

 

◇答弁 仲川元庸市長

 この議案第48号に関連いたしまして、退職手当が持つ意味をどのように考えているかについて

 本来、退職手当については、勤続報償的な意味合い、また、生活保障的な意味合い、賃金後払い的な性格を有しているということについては、御指摘のとおりである。在職中の公務への貢献や功労に対する報償の意味合いがあるということは認識いたしている。一方で、私を初め特別職の退職金を支給しないということについては、財政的な状況も憂慮した中において、私の1期目から継続している政策として市民の皆様にお約束しているものである。今回についても、その原則を踏襲し、判断させていただいている。  今後のあり方ということについては、御指摘のように特別職の業務や責任に応じてどのような対価が妥当であるのかということを、しっかりと研究をするということは大変重要だと考えている。特別職報酬審議会という制度があるので、その中において今後のあり方についてはまた議論をしてまいりたいと考えている。

 人材確保についての御質問は、これも先ほどの話につながるところであるが、これまでのところ、本市としては、退職手当がないという形で特別職の方々についても、お引き受けいただいているという状況であり、その成果ということについては、いわゆる退職手当の有無ということに直結はしていないというふうに認識している。一方で、今後については、先ほど申し上げたように、どのような人材をどういう対価で処遇をするべきかということについては、幅広い議論も必要であると考えている 。

 そういったことから、今の制度を今後どうしていくべきかということをしっかりと議論した中において、やはり市の今の現状を踏まえて、しっかりとした能力を有する人材に応募をいただけるような形を目指したいと考えている。

 

◆意見・主張 内藤智司

 議案第48号について

 退職金は生涯賃金の一部であり、市長みずからの退職金について不支給とされているのは自由であるが、市長のブレーンである副市長や教育長等に対しては、責任の重さに鑑み、退職手当を支給すべきである。本来、退職手当とは勤続報償、生活保障、賃金の後払いの要素を有しており、在任中における公務への貢献度、功労に対する報酬であり、このままでは全ての特別職の退職手当がなくなり、市政にとって今後、有能な人材の確保が大変懸念される。また、内部にも与える影響が大きく、職員の士気も低下をしかねない。

 特に、今回、特別職との均衡の問題で教育長は、今回議会として初めて教育長の任命について同意したものである。今までの教育委員としての任命同意ではなく、真の教育行政のトップとしての議会の同意であり、我々議員も新たな奈良市の特別職を位置づけたものと考えており、いじめ問題や特別支援教育の充実、学校規模の適正化、小中一貫教育の推進など、課題は山積している。その課題解決のためにも、その重責を果たしていただくためにも、厳しい財政状況や財政健全化のために退職手当を不支給とするのは本末転倒であり、厳しい財政状況や財政健全化のためには、市長としての別途根本的な歳入確保策を講じるべきであり、他の特別職との均衡や歳出抑制としか受けとれない新教育長の退職手当不支給は、財政健全化にはほど遠いものがある。その重責を果たしていただくためにも、それに見合う公務への貢献と、その労に報いるため、さらに今後の優秀な人材確保の面からも、ここは退職手当不支給を一旦見直すべきと強く主張させていただく。

 

4.本庁舎耐震整備計画について

◆質問 内藤智司

 次に、本庁舎耐震整備計画についてお伺いする。

 本日の新聞報道にもあるように、大宮通りプロジェクトが進む中で、市役 所本体の機能自身が持つ意味、そういったものを考えなければならない。本庁舎の耐震化を図るために設置された奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会から整備検討報告書が提出されたが、報告を受けての今後の計画について。

 

◇答弁 仲川元庸市長

 耐震化の取り組みについて、奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会の整備検討報告書を受けての今後の計画について、市役所本庁舎の道路を挟んで向かい側では、国際級ホテルやコンベンションホールの建設が予定されているところである。そういった意味において、この市役所周辺の環境が、今後、大きくさま変わりをする可能性もある。一方で、県においても、この大宮通りや新大宮周辺のまちづくりということも検討されているところでもあるので、今後、さらに県などと綿密な調整や連携を行っていくことが不可欠であると考えている。整備検討報告書の中においては、靭性型の補強が望ましいが、今申し上げたような周辺のまちづくりにも配慮するようにとの御意見も付されたところである。

 今後は、この点については県との連携調整を行い、情報収集も図り、さらには市民の皆様の御理解もいただきながら、今後、市としてとるべき方策をしっかりと取りまとめ、方針を決定し、基本計画の策定に取り組んでいきたいと考えている。

 

◆意見・主張 内藤智司

   本庁舎の耐震整備計画について、答弁のように、昨年27年度のときにこの耐震化の方針をある一定、方向を示された以降、県の方向性、環境が変わってきているのも事実である。先ほど答弁にありました国際級ホテル、コンベンション、それから新大宮駅の周辺のまちづくり、市役所周辺のまちづくり等が、県の今回の29年度の予算にも大宮通りプロジェクト--本日、先ほど紹介したが、新聞にも出ているようにそういったさま変わりをしていることは事実と考える。

 そういった中で、私はやはり市役所というのは市のシンボルであり、今補強や建てかえやという、40億円、80億円かかる部分が、65年後の耐震をもって今、報告書が上げられているが、やはりこのまちづくり、20年先、30年先の夢を持ったまちづくりを、私は、この本庁舎の耐震化計画も含めて検討していただくことが重要とおもう。そういった意味では、県と連携しながら、地域等の意見も聞きながら、奈良にふさわしい、すばらしい市役所となるように検討していただくことを要望しておく。

 

5.クリーンセンターについて

◆質問 内藤智司

   次に、クリーンセンターについてお伺いする。

 クリーンセンター建設事業については、平成17年12月、奈良市議会において、奈良県公害審査会調停委員会からの提示があった調停条項を全会一致で受諾し、その調停条項に基づいて設置された奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会で候補地選定が行われ、平成25年1月に最終的に現候補地である東里地区の中ノ川町東鳴川町地区内を候補地とする案で市長に報告され、同3月に市として奈良市の中ノ川町東鳴川町地区内、約33.3ヘクタールを候補地として選定されたわけである。その時点でも既に4年を経過しており、この現候補地は、昨年夏に住民との意見交換会がされたが、参加者も少なく、非常に厳しい状況と聞いている。午前中の議員の質問と重複する部分はあるが、その現状を市としてどのように判断しているのか。  次に、クリーンセンター建設計画策定委員会からは、現候補地である東里地区での進展が全く進まないことから、地区外処理や広域化などあらゆる方策を検討するようにとの意見も受けたとのことだが、どのような検討をされ、その検討結果はどのようなものなのか。

 特に、最近県内ではごみ処理の広域化として天理市が中心に、10市町村にまたがる山辺・県北西部広域環境衛生組合が結成され、天理市において建設計画が進められている。広域化を行った場合は、県から4分の1の補助があるとも聞いており、このごみ処理の広域化は、非常に有効な方法であると思います。県北部でごみ処理の広域化に参加していないのは、奈良市、生駒市、大和郡山市、平群町、斑鳩町と聞いているが、奈良市としては、これらの自治体とのごみ処理の広域化についての考えはないのか。  最後に、現在の環境清美工場の老朽化も非常に進んでいて、このままでは相当の費用をかけて改修することが必要であると聞いている。今、ここで多額の費用を投じて現施設を改修するとなれば、当分、そのまま古い能力の施設が左京地区に残ったままということになると思う。一方、候補地である東里地区では全く交渉が進まない、このような八方塞がりというのが現状と思われる。  ここで、公害調停や策定委員会での候補地選定という今までの経過はあるが、思い切って左京地区現地で今よりもずっと公害問題にも配慮したすばらしい施設を建設することが、スケジュール的にも費用的にも最も適切な方策ではないかと思う。市として、今後どのような方向性をお持ちなのか。

 

◇答弁 仲川元庸市長

   クリーンセンターについて、現建設候補地での地元交渉の現状と判断についてという質問である。

 東里地区においては、昨年7月に2回、地元住民の皆様と意見交換会を設けさせていただいたところである。かし、御指摘のように、参加された方は少なく、事業への反対意見が非常に多く出されたという状況にある。この結果を受けまして、市といたしましては、現候補地の周辺住民の皆様に直接御説明を申し上げ、御意見や地域の課題などを伺うことが大切であろうと考えたことから、昨年11月には地域の連合会長様へ、また、各自治会長様及び中ノ川町や東鳴川町の住民の皆様の各戸も個別にお邪魔をさせていただいた状況にある。住民の皆様方からは、クリーンセンター建設計画策定委員会における候補地選定の経緯への不信感、また、かつて市が行っていた中ノ川地区でのごみ埋め立て事業により多大な迷惑を受けたということなど、過去の経緯や取り組みなどについて大変厳しい御意見もいただいたところである。そういった中において、現候補地での事業の進展が非常に厳しい状況であるとの認識も持ったところである。

 続きまして、区域外処理や広域化の検討状況及びその結果についてということだが、議員御指摘のように、昨年8月に開催された策定委員会において、委員の方々から候補地を決定してからかなりの時間が経過しているが、クリーンセンター建設事業が現在膠着状況にあると、現工場の稼働期間も30年以上が経過し、老朽化も進んでいることから、ごみの区域外処理や広域化などについても調査してみるべきではないかと、そういった提言もいただいた。それを受けて、本市においても、それらの可能性について調査を行わせていただいているところである。

 まず、区域外処理については、近隣市や近隣の大都市であるように阪市や京都市、西宮市などに対して調査を行わせていただいたところであるが、災害時などの短期間、また、ごみの一部ということであれば可能性がなくはないという感じであるが、恒常的に本市の全てのごみを受け入れるということはやはり困難であり、クリーンセンターの建設そのものにかわる方策とはなり得ないと感じた。  また、広域化の取り組みについては、各自治体それぞれの施設の更新状況や今後の方針等についての調整など、課題があると考えているところである。一方で、将来の人口減少やごみの減量化などを考慮すれば、非常に有効な方策でもあり、財政面においても県の奈良モデルが適用されれば、市の純粋な負担に対して4分の1の補助が受けられるという可能性もあり、極めて有利な手段であることは事実だと感じている。

 今後、本市としては、県とも連携を図り、各自治体の今後の方針や状況の把握、また課題の洗い出し、その解決策などを引き続き検討していきたいと考えている。

 次に、候補地の見直しも含めた今後の方向性について、現環境清美工場において、今年度実施いたしました施設の調査結果により、炉のみならず建物自体の老朽化についても深刻な事態であるということが判明いたしたところである。新しい施設の早急な建設が必要だということを改めて認識させられた次第である。

 策定委員会においても、この現環境清美工場の現状、また、クリーンセンター建設事業の進捗状況などについて、まずは左京地区の住民の皆様に説明をすべきとの御指摘もいただいたところである。この点については、当然のことながら、左京地区の住民の皆様に今の状況などについてもしっかりと説明をしていくことが、まずもって重要と考えている。

 一方で、クリーンセンター建設事業については、これまで現候補地である東里地区での実現を目指してさまざまな取り組みを進めてきたところである。その中で、策定委員会の一部の委員や、また議会などからも現候補地での実現が困難であるので一旦白紙に戻し、現地での建てかえも含めて、もう一度候補地を選定すべきとの意見もある。しかし、以前には市議会で全会一致の承認をいただいた公害調停があること。また、調停条項により設置された策定委員会により、現候補地の東里地区が選定されたという経緯があることからも、今後、指摘されている広域化の可能性や現環境清美工場の老朽化対策など、さまざまな状況も勘案しながら慎重な対応が必要だと考えている。

 今後は、クリーンセンター建設事業の現状や環境清美工場の現状など、策定委員会、また、地元の左京の皆様方、さらには多くの市民の皆様にも現状をしっかりと伝え、意見なども聞く場を設けるなど、改めてクリーンセンター建設問題を市民全体の問題として捉え、現実的にどのような解決策があるか、早急に検討する必要があると認識しています。

 

◆意見・主張 内藤智司

 クリーンセンター事業については、現設備の老朽化は待ったなしの非常事態に来ているものと思います。今月の市民だよりの配布の際にごみ事典も配布されました。このときに、地区の連合会の方からは、ごみの分別をできるだけちゃんとしてほしい。これは、炉の老朽化が非常に激しく、きちっと分別しなければ炉がもたない。と説明がありました。公害調停と、策定委員会による現候補地の選定とハードルはあるものの、やはり当時から大きく環境が変化していることを踏まえて、左京地区の皆様への理解活動を中心に、広域化、現地での建てかえ等の方向性に向け、早期建設の道筋を検討するよう要望します。

 

6.地域公共交通会議について

◆質問 内藤智司

   次に、地域公共交通会議についてお聞きします。

 昨年9月定例会で、持続可能な地域公共交通のあり方をただした中で、12月定例会では、奈良市附属機関設置条例が一部改正され、道路運送法に規定される地域公共交通会議を設置することになりました。  平成29年度の取り組みとして、今後の庁内体制についてお答えください。

 

◇答弁 仲川元庸市長

 住民、交通事業関係者、行政等の関係者によって構成される地域公共交通会議の取り組みは、公共交通の不便な地域にお住まいの方々の交通利便の確保、向上に寄与する施策の構築や実施に向けた協議を行っています。平成29年度の早い時期に会議を開催し、その進捗によっては、早ければ平成30年度に実証実験の運行に移れる状況も出てくると考えます。

 地域公共交通行政は、将来を見据えたまちづくりそのものですから、さまざまな課題に対して関係部署のネットワークづくりにも取り組みます。

 

◆意見・主張 内藤智司

 地域公共交通会議は、29年度の予算で300万円が計上されました。この分の詳しいスケジュール等の具体的な中身は、予算審査等特別委員会の中で質疑します。

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